体格制限撤廃、「きつい、厳しい」イメージ払拭ポスターも 変わる県警の人材確保
平成29年春の新卒採用に向けた就職活動が本格スタートした今月。県警では、身長などの体格制限を今回から撤廃、女性限定の説明会を開催するなど、〝学生目線〟を重視した採用手法を展開している。
赤ちゃんの笑顔と、若い女性警察官がアップの写真に「きみたちの笑顔のためにできること。」とのキャッチコピー。今回刷新された採用募集ポスターは柔らかい印象で、担当者は「昔から『きつい、厳しい』というイメージが根強かったので、先入観を払拭したかった」と話す。
企業の業績回復と人手不足感の高まりで、就職戦線は学生優位の「売り手市場」が続いている。県警の採用募集への応募者数も、過去10年間は平成22年の988人をピークに減少傾向、昨年は574人と伸び悩んだ。
国が女性の積極登用を進める中、県警も30年までに女性警察官の割合を10%にするとの目標を掲げており、現在は2460人中221人。昨年は女性限定の説明会を年2回開催し、約50人の学生が参加、84人の受験に結び付いたが、採用数は過去10年間横ばいという状況が続いている。
男女ともに伸び悩む採用の「幅」を広げようと、県警では今回から、男性は身長160センチ・体重47キロ以上、女性は身長153センチ・体重45キロ以上―としていた体格についての採用基準を撤廃。「『事務職しか受けられなかった』という声もあった」(担当者)という〝壁〟を撤廃することで、幅広く優秀な人材を確保しようと懸命だ。就活生にとって気になる子育てなど福利厚生面も、リニューアルしたパンフレットでは子育て中の女性警察官の体験談なども紹介することで、「柔軟な働き方もできる」とアピールしている。
また、今月は毎週水曜日の午後5時半~7時半に、採用担当者が質問や相談に応じる「採用カフェ」を県警本部(奈良市)で開催中(前日までに要申し込み)。担当者は「奈良は県外就業率が高いが、県警で働くやりがいや魅力を1人でも多くの学生に知ってもらえれば」としている。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)