森の中の新火葬場、対応3倍に 奈良市が概要案発表
奈良市は9日、横井町に計画している新斎苑の概要案を明らかにした。鉄筋コンクリート造りの地上1階、地下1階建てで、延べ床面積約5200平方メートル。火葬炉を12炉備え、火葬の対応件数は現在の3倍になる。現在、地元住民と話し合いを進めており、市は「概要案をきっちりと説明し、理解を得たい」としている。
奈良市白毫寺にある現在の火葬場は大正5年に開設。老朽化が進んでいることから市は移転を計画し、平成20年に横井町が候補地に浮上したが、21年に就任した仲川げん市長が白紙撤回。「奈良ドリームランド」跡地を候補地としたが所有者の同意が得られず、25年に再び横井町を候補地としていた。
約56億円とされる事業費には合併特例債を充てる予定だが、そのためには平成32年度末までの工事完了が必要。仲川市長は「市政の喫緊の課題」としている。
概要案によると、建設予定地は現在の火葬場から東南に約1・2キロの横井町の山林内。自然公園法により、建造物の高さは10メートル以下に規制されているため、地下1階に火葬炉を設置する。炉の数は現在より4炉多い12炉設置し、冷却設備も備えることで、現在の3倍に相当する1日最大24件の対応が可能となる。
待合室のほか喫茶店や売店、多目的ホール、キッズルームなども設置し、駐車場は80台分を確保する予定。今後地元住民向けの説明会を開くなどし、「32年度末の完成を目指す」としている。
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