「つい盗んでしまった」 定年直前の前生駒署長が財布置引で聴取 減給処分も退職金満額支給
奈良県警は31日、スーパーマーケットで客の財布を置引したとして、窃盗容疑で県警生駒署の前署長(60)=警視=から任意で事情を聴いていることを明らかにした。調べに対し、「置き忘れてあった財布を目の前にしてつい盗んでしまった」などと容疑を認めているが、県警は「容疑を認めて被害弁済しており、逃走の恐れがない」として逮捕せず、近く書類送検する方針。
県警は同日付で前署長を減給100分の10(6カ月)の懲戒処分にしたが、前署長はこの日で定年退職。減給は適用されず、退職金も満額支払われる。
県警によると、前署長は3月26日午後3時15分~20分ごろ、奈良市内のスーパーで男性客(80)が買い物用カートに置き忘れた現金3万円などが入った財布を盗んだ疑いが持たれている。男性が店を通じて110番し、防犯カメラの映像などから発覚した。
財布は店の敷地内で発見されたが現金はなくなっていた。県警は、前署長と一緒にいた女性からも窃盗容疑で事情を聴いている。
前署長は県警交通部調査官や高速隊長などを歴任。2月末まで生駒署長を務め、警務部付になっていた。太田哲示・首席監察官は「県民の信頼を裏切る行為で深くおわびするとともに、再発防止の徹底に努める」とコメントした。
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