年間200人以上、仕事中の転倒事故多発、ご注意を! 奈良労働局が呼びかけ
県内で仕事中の転倒が多発し、奈良労働局が注意を呼び掛けている。転倒によるけがは県内で発生した労働災害の約2割を占め、骨折で長期休業が必要なケースも。同局は「職場の整理整頓はもちろん、危険場所には注意喚起のステッカーを貼るなど、対策を十分取ってほしい」としている。
職場での転倒によるけがは、墜落や転落に次いで多い。平成27年に県内で起こった労災のうち、転倒は約2割を占め、207人に上った。うち、骨折などで休業見込み期間が1カ月超となったのは125人で約6割。同局健康安全課は「転倒は軽く考えられがちだが、実際は骨折など重篤なけがを負う人は多い」としている。
特に転倒による労災が多いのがスーパーなどの小売業。小売業だけでみると、転倒は同年の労働災害全体の約3割を占めている。
同局によると、転倒は「滑る」「つまずく」「踏み外す」の3パターン。空のケースを持って工場へ行くとき、15センチ程度の段差につまずき、ひざを強打し骨折(製造業)▽倉庫内を整理中、荷物を持って資材をまたごうとしてつまずき、アキレス腱断裂(建設業)▽急いで作業場に行こうとした際、床がぬれていて滑って転倒し骨折(小売業)―といった労災が報告されているという。
事態を受け、同局は県内の経済団体など77団体と大規模小売店など93店舗に、転倒防止の取り組みを推進するよう文書で要請。転倒により1カ月以上の休業見込みとなる人が出た場合や、繰り返し労災が起こった事業所には、職場内の点検と労働基準監督署への再発防止策の報告を求めている。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)