人生の最期は〝家庭〟のように 「ホームホスピスみぎわ」 大和郡山に終の家開設
病院ではなく、住み慣れたわが家のような空間で人生の「最期」を過ごしてほしいと先月、大和郡山市九条町に「ホームホスピスみぎわ」がオープンした。NPO法人みぎわ(奈良市)が運営。スタッフの桜井徳恵さん(47)は「人生の最期という大事な時間を、自宅のような温かい空間で過ごしてほしい」と話している。
平屋建ての民家を改装した「みぎわ」。玄関を一歩入ると、まるで家に帰ってきたような雰囲気だ。白い壁に明るい木の床、広々としたトイレ、庭の木が眺められる居室、台所から漂うご飯のにおい…。死を「生活の延長」と捉え、家族が安心して悔いのない看取りができるよう、寄り添うことが目的だ。
人生の「最期の場所」をどこでどう過ごすのか。終末期医療や在宅介護への注目が近年高まる中、こうしたホームホスピスの存在感は増している。
「みぎわ」では、食事や家事、看護を担当するスタッフら8人ほどが、交代で入居者の生活を支える。末期がんなどの病気や障害を抱える人、高齢者の最期を看取ることが目的で、「その人らしく」人生を全うできるよう寄り添い、家族への支援も行う。
「家族がいても在宅介護が困難な人や、一人暮らしで不安だという人、最期は『家』で過ごしたいという人に利用してほしい」と桜井さん。スタッフの野口美和さん(52)も「家族の人も気軽に泊まってほしい。入居する人には、自分の家のように自由に過ごしてほしい」と話している。
現在、5、6人程度の入居者を募集している。費用や見学など、問い合わせは「みぎわ」(☎0743・85・6148)。
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