【鹿角抄】チェック機能は働いていたか? 大和高田市の虚偽報告書問題
「これまでは、(市側の説明を)ある程度信用していた部分もある。でも、そういうわけにいかない事態が起こった。これからはもっと細かく精査しなければならない」
大和高田市が、国の交付金事業が未完了にもかかわらず、完了したとする虚偽の報告書を提出し、国に利息分を含む約3680万円を返還した問題を受け、市議会に設置された調査特別委員会で、委員が市の執行部に対し述べた言葉だ。
問題が発覚したのは今年2月。報道がきっかけだった。市議会は昨年12月の定例会で、交付金返還に関する補正予算案を可決していたが、市側は議案説明では、虚偽報告書の提出について全く触れていなかった。
予算案の内容を細かに精査すれば気づけた可能性はあったが、国に補助金適正化法違反として返還を命じられたことを議会に説明せず、工事が完了しなかったことだけを説明した対応には、議会から批判の声が上がった。調査特別委では「隠そうとしていたのでは」「ばれなかったら、言わないつもりだったのか」などの声が上がった。
市側は「隠す意図はなかった」と謝罪する一方、「完了実績報告書は、全体の流れの中の1つの段階。未竣工で(交付金を受けることが)できない状態になったので、返還させていただくと説明した」などと答弁。虚偽報告書の提出という重大な問題が、まるで流れの中の行為の一つでしかないような言い方だ。
市側が説明するように、事業が所定期間内に完了しなかったのは、努力を怠ったわけではなく、地元交渉の難航など、難しい課題がクリアできなかったという事情は理解できる。だが、だからといって虚偽報告書を提出し、交付金を受け取ってよいわけではないし、自治体が法に違反する行為を行った責任は重大だ。
今回の問題で、市に対する市民の信頼は失墜した。取り戻すには、並大抵ではない努力が必要となるだろう。
調査特別委は調査報告の最後に、「議会としては、今回の事案の発生を教訓に行政のチェック機能の強化に努め、議会の責務を果たしていく」と記した。今後は議会が市側をどれほど厳しく監視していけるか、議会のチェック機能も問われている。(山本岳夫)
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