【リオ五輪】柔道男子・大野が念願の「金」 天理は歓喜の渦
大野選手、おめでとう―。リオデジャネイロ五輪で日本時間9日未明に行われた柔道男子73キロ級で、天理大出身の大野将平選手(24)=旭化成=が、柔道日本勢としては初の金メダルを獲得。パブリックビューイング(PV)が行われた天理市では、市民や大学関係者らが歓喜の渦に湧いた。
「よっしゃー」「大野選手ありがとう!」。9日午前5時すぎに行われた決勝戦。試合開始3分15秒、大野選手の鮮やかな小内刈りが決まると、会場は大歓声と拍手の波に包まれた。
予選から安定した試合運びを見せていた大野選手。天理大柔道部の卒業生らでつくる天理柔道会の中西茂巳副理事長(62)は、「大変落ち着いている。この精神力が大野の強さだ」と振り返った。中西さんは大野選手がリオに出発する3日前、天理市内で2人で食事をした。「大野が『肉が食べたい』と言ってね。会話を交わしていると非常に余裕を感じられ、店主にも金メダル獲得を約束していた。今日は終始、安心して試合を見られた」と話した。
会場には、大野選手の活躍を見ようと、60人を超える市民らが駆けつけた。天理大4年、高見佳奈さん(21)は「有言実行を果たしてくれ、私たちの誇り」と笑顔。同大学出身の小西有希さん(35)も「メダル獲得の瞬間に居合わせることができて本当にうれしかった」と声を震わせた。
並河健天理市長は「最後まで平常心で1本を取りに行く姿勢に感銘を受けた。市民とともに心からおめでとうと伝えたい」。天理大の永尾教昭学長(59)は「執念で勝ち取る大野らしい柔道だった。この金メダルは大野にとっても天理大にとっても、特別の意味がある。心から『お疲れさま』と言ってあげたい」と涙を交えながら話した。
【関連記事】
【リオ五輪】奈良ゆかりの選手応援を 各地でパブリックビューイング予定
「執念持って、泥臭く」 リオ五輪柔道、大野将平選手の壮行会開かれる
リオ五輪出場 女子マラソン・伊藤、柔道男子・大野 荒井知事を表敬訪問
【柔道】大野が練習公開 4月の五輪最終選考大会へ「一番強いことを証明する」
産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html