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【私の働き方】ひとつの形にこだわらなくていい 県警教養課、七原美枝さん


 「一つの形にこだわらなくていい」。県警警務部教養課学校教養係長の七原美枝さん(37)は、フルタイムで働きながら、夫と2人の子供の子育てを柔軟にこなしている。想像以上の〝男社会〟に直面しながらも、「複雑な社会に対応するためにも、いろんな警察官がいていい」と、限られた時間の中で「一日一歩ずつでも進化する」気構えで職務に邁進している。

柔軟に子育てと仕事を両立させる七原美枝さん

柔軟に子育てと仕事を両立させる七原美枝さん

 ◇被害者対応できる警察官に

 両親は学校教諭。その影響か、進路などを選択するときに性差を意識したことはなかった。大学3回生の頃、ある新聞記事が目にとまった。性犯罪被害者の「二次被害」をなくそうと、積極的に女性警察官を配置している県警の取り組みを紹介した記事だった。地元で就職し、結婚や出産後も働きたいと考えていたこともあり、警察官を志望するように。「超就職氷河期」だったが、採用された。

 拝命後、高田署地域課など経て、26歳のときに橿原署刑事一課強行犯係に配属。志望動機だった性犯罪被害の対応にもあたった。

 被害申告すらためらい、犯人が逮捕されると逆に恐怖心から被害届を取り下げる女性も少なくない性犯罪。対応の難しさは、想像をはるかに上回っていた。ある被害者との関わりは、今も鮮明に心に残っている。

 ◇1人の人として向き合う

 事件発覚後、被害者の心情に配慮つつ犯人検挙に向け、何度も自宅を訪問しては被害申告を促していた。そのとき、被害女性の言葉が胸に突き刺さった。「被害に遭ったこともないからわからないし、仕事だから犯人を捕まえたいだけでしょ」。

 捕まえたい気持ちはもちろんあった。だが、「彼女はずっと家の中にい続けるわけにもいかないし、これまで頑張ったことが無になってしまう」。いつしか「仕事の対象」ではなく、1人の大切な人として、相手のことを考えていた。

 「放ってはおけない」。再び女性宅を訪ね、向き合ううち、気づけば一緒に泣いていた。その後、やっと被害申告。犯人が逮捕されると、「あのとき、やっぱり言ってよかった」と安堵の声を漏らした女性に、胸をなで下ろした。
自分の対応を振り返ると、「傷つけてしまったこともあるし、未熟だったかもしれない」という自省の念にもかられる。犯人が検挙されても、被害者が負った傷は生涯残る恐れはある。「あの人はずっと抱えていく。そういう人がいることを忘れたらあかん」と心に誓っている。

 ◇先輩の後に道をつなげたい

 刑事課では6日に1回の当直や、早朝から夜遅くまでの長時間勤務が連日続いた。「このときは仕事ばかりしていた」と4年間を振り返る。

 昇任試験も受け、警部補に昇進。そんな中、父親の膵臓がんが判明し、「孫の顔を見せたい」と、約7年の交際を経て現在の夫(44)と結婚。31歳で長男を出産した。

 当時は交番勤務で3交代制。だが、子供が病気になれば仕事は休まざるを得ず、「やっぱり以前と同じようにはできないんや」と痛感した。公立中学校教諭の夫と決めていたのは「子供につらい思いはさせない」ことで、夫は部分育休やフレックス勤務を進んで選択してくれた。

 35歳のとき、2人目となる長女を出産。「育児は夫が7割してくれている」という日々は、自分が帰宅したときには子供は食事や風呂も終え、夫と遊んでいるという。そんな様子を見ながら、夕食をとり、翌日の夕食準備にとりかかる。「夫は『遅かったな』とも言わず、育児もしてくれて、本当に恵まれてる」と話す。

 家庭を持ったことで、「ふとした見方に、引き出しが増えたような気がする」。細やかにフォローしてくれる職場で、自身は「いつ子供の病気などで休むことになるかもしれない」と、〝制約〟を抱えての勤務。だからこそ、出勤すれば昼食時もほぼ休憩せず、精いっぱい働くという。

 「男性も女性もいろんな働き方ができると思う。微力だけど、道をつくってきてくれた先輩の後をつなぎたい」。気負わず、柔軟に家庭と仕事の両立を続けるつもりだ。(山﨑成葉)

 【プロフィル七原美枝(ななはら・みえ)さん。昭和52年生まれ。奈良市出身。筑波大卒業後、平成12年4月に奈良県警に入庁。橿原署刑事一課や奈良西署地域課などを経て、26年4月から県警警務部教養課。30歳で結婚後、1男1女を出産し、夫と4人暮らし。

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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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