【鹿角抄】外国人観光客と交流し、生きた語学教育できるかも
今月、高校生が東大寺や奈良公園で外国人を英語でガイドする体験学習を取材した。訪日外国人は増えているし、東京五輪開催まで5年を切った現在、「勉強したが話せない」とされる受験英語ではない語学力が求められる今、実用的で効果的な学習法だと感心した。
気になったこともあった。外国人に積極的に英語で話しかけている生徒の多くが、女子生徒だったことだ。ガイドされたオーストラリア人男性も、「女性は積極的だったが、男性は少しシャイだったようだね」と話していた。
「上手に話せないので、話しかけるのは恥ずかしい」。ある男子生徒はこう打ち明けてくれたが、個人的には語学学習は失敗の連続の上に成り立つものではないかと思う。
とはいえ、記者が真面目に語学学習に取り組んだのは、日本の学校で学んだときではなく、中国に留学していたころ。欧米からの留学生が英語で話すことを好むので、英語の勉強も始めた。相手が話す内容は何となく分かっても、自分の意思を伝えるには辞書を手放せなかったからだ。
だが、最初は「言っていることが分かりにくい」、「発音が少し…」と、うまく意思疎通ができない。寮で友人を捕まえては何度も発音やイントネーションを教わるうち、少しずつ自分の気持ちを伝えられるようになった。
奈良公園周辺で高校生たちが懸命に英語ガイドしていた体験学習では、みな懸命に考えながら話していた。正確に話すことは確かに大切なのだが、先述のオーストラリア人男性は「少しくらい文法や単語を間違えてもいい。どんどん話して、それを継続することが大事じゃないかな」と去り際に指摘していた。
連日多くの外国人観光客が訪れている奈良。この環境を「使える語学」学習にもっと活用すれば、外国人観光客との交流がさらに広がり、奈良の観光振興にもつながるのではないだろうか。(神田啓晴)
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