奈良伊賀地域で産経新聞の購読試読・求人案内。

産経新聞 奈良県伊賀地区専売会産経新聞 奈良県伊賀地区専売会

産経新聞グループ各紙のご購読はこちら 0742-24-2214

専売会について専売会について各専売店の紹介各専売店の紹介地域貢献地域貢献求人内容求人内容購読・試読サービス購読・試読サービス

sanbai-02.jpg

【まちの近代化遺産・再録】奈良ホテル 奈良公園に配慮した明治期の和洋折衷建築


 数々の世界遺産を擁する奈良公園の一角に、外観は寺院のような和風、内装は洋風の老舗・奈良ホテル(奈良市高畑町)がある。乃木希典、陸奥宗光といった歴史上の人物から、世界各国の首脳や王族らも宿泊し、「西の迎賓館」とも呼ばれる。

明治42年に建設された奈良ホテル本館

明治42年に建設された奈良ホテル本館

 実は、開業当初は民営。大正2年、後に鉄道省を経て国鉄となる鉄道院の直営となった。終戦後は進駐軍のレクリエーション施設となり、敷地内にはテニスコートや畑が作られていたこともあったという。サンフランシスコ講和条約締結後の昭和28年にようやく営業を再開した。

 本館は、明治42(1909)年の開業当時の姿をそのまま残しており、明治期の名建築として知られている。東京駅の駅舎や日銀本店を手がけたことでも知られる辰野金吾が設計した。辰野は、赤れんがを使った西洋風の建築で知られるが、奈良ホテル本館は全てが木造で壁はしっくい、屋根は瓦と和風の建築だ。

 奈良ホテルの辻利幸・営業部長はこうした外観について、「奈良公園の周辺の景観に配慮して、寺院風の建築にしたのでは」と話す。

 だが、外観と異なって内部は西洋風の作り。ロビーや客室には、今も暖炉の跡が残っている。開業当初は実際に使用されており、屋根の上には排気のための煙突が並んでいたという。

 ロビーにある暖炉の跡の上には鳥居が立ち、客室の暖炉跡にも鳥居のような形の棚が置かれているのも特徴だ。辻部長は「西洋の象徴である暖炉と、日本の象徴である鳥居を並べることで、『和洋折衷』を表現したのではないか」と推測している。

本館ロビー内部。西洋風だが、暖炉跡の上には鳥居のような棚が

本館ロビー内部。西洋風だが、暖炉跡の上には鳥居のような棚が

 このほか、開業当時には酒場として玉突き台(ビリヤード台)も置かれていたという「ラウンジ」も、昭和60年に奈良市学園南にある「大和文華館」に移築され、現存している。木造の建物にステンドグラスがはめ込まれ、ここでも辰野金吾が設計した「和洋折衷」を見ることができる。

※平成26年9月に奈良版でスタートした「まちの近代化遺産」を再録します。文中の年齢や肩書き等は掲載時のままです。

【関連記事】

【まちの近代化遺産】信貴山への架け橋「開運橋」、まちに溶け込んだ鉄橋

【まちの近代化遺産】カフェとして蘇った大正建築 旧名柄郵便局

【まちの近代化遺産】明治の和風〝迎賓館〟 菊水楼

【まちの近代化遺産】朝ドラロケ地の木造校舎、旧宇太小学校

奈良で「近代建築物見学ツアー」 留学生らが入江泰吉旧居など訪問

(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

求人情報求人情報
購読・試読のお申込み購読・試読のお申込み
お問い合わせお問い合わせ

産経新聞各紙
産経新聞産経新聞
サンスポサンスポ
Business iBusiness i
夕刊フジ夕刊フジ

グループ各紙
月刊TVnavi月刊TVnavi
MOSTLYMOSTLY
正論正論
週刊ギャロップ週刊ギャロップ

産経でんき産経でんき


読もうよ新聞読もうよ新聞

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。