【ふるコレ】商都・大和高田繁栄の象徴 大衆演劇の鑑賞券
古くから難波、大和、伊勢の交通の要衝で、江戸時代には大和木綿の集積地として栄えた大和高田市。明治以降は商工業の中心地として発展、戦後間もない昭和23年には奈良市に次いで県内2番目の市制を施行し、「商都」と称される街には近隣地域だけでなく、中南和の各地から買い物客が訪れていた。
だが、繊維産業の低迷や人口減少、近隣市で商業施設立地が進んだこともあり、商工業は元気がなくなっているといわれる。かつて、紡績工場などで働く人々の娯楽や憩いの場としてにぎわった劇場や映画館も、時代の変化とともに次々と姿を消した。
現在、唯一その火を灯すのは大衆演劇劇場「弁天座」(同市北本町)。宮﨑昌明社長(68)の曾祖父が明治43年に開業、名称を変えながらも戦後まで続いた芝居小屋「辨天座」を、平成17年4月によみがえらせた。全国各地で活躍する大衆演劇の一座が、月替わりで昼と夜の2回公演する常打ち小屋。舞踊ショー、芝居、口上など、3時間あまりの舞台が繰り広げられる。
宮﨑社長が大衆演劇を初めて見たのは、大阪・新世界の劇場。「すぐにのめり込んだ」というほど魅せられ、さっそく閉館となっていた映画館を改装。初観劇から間もなく、弁天座を開業した。
桟敷席を含む座席数は8列120席。最後列から舞台までは10メートルほどで、「『役者の汗が飛ぶ』とか、『役者のまばたきが分かる』とよく言われます」(宮﨑社長)という通り、舞台と客席が身近。臨場感と迫力を存分に味わえるのが自慢だ。
市は1万円以上の「ふるさと納税」に対し、弁天座の大衆演劇鑑賞券を2枚、3万円以上には3枚をプレゼント。座席予約もできる。(山本岳夫)
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