華やかな平安王朝文化を満喫 春日大社で特別公開始まる
春日大社(奈良市)で行われている20年に1度の本殿修理「式年造替」を奉祝する特別公開「王朝の雅・春日大社展」が20日、大社景雲殿で始まった。みやびやかな装束や調度品により、平安王朝の空間が再現されている。2月14日まで。
春日大社は奈良時代の創建だが、平安時代に春日を崇敬した藤原氏の栄華のもとで隆盛し、当時の華やかな王朝文化を今に伝えている。今回の特別公開では装束や調度品、楽器、絵画など約30点を通じ王朝の美の世界を紹介する。
会場では、女性貴族の正装だった色鮮やかな「十二単」(女房装束)と、男性貴族のゆったりとした装束で春日では現在も「春日祭」で勅使らが着る「束帯装束」を人形に着せて展示。化粧具容器の「梨子地平文唐櫛笥」(江戸時代)や「梨子地平文根古志形鏡台」(同)なども並べ、王朝の空間を再現している。
ほかに装束では、女性貴族の日常着だった「袿袴装束」と、春日の巫女が伝統的な神楽を舞うときに着る「社伝神楽装束」も展示。調度品のうち、「臨御台」は近代に作られた小型の丸高杯で、もとは白河院の御幸の際に茶菓をのせたとも伝えられ、朱漆塗りや蒔絵がみやびを伝える。
春日大社の松村和歌子主任学芸員は「ご造替は建物の修理だけではなく、調度品や装束なども新調され、王朝の文化を伝えている」と話している。拝観料200円。問い合わせは春日大社(☎0742・22・7788)。
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