聖徳太子の愛犬・石造雪丸など 王寺町指定文化財に
王寺町教委は、聖徳太子ゆかりの達磨寺にまつられている「石造雪丸像」など3件を、町指定文化財にした。担当者は「歴史的価値が高く、保存・継承につなげていきたい」としている。
石造雪丸像(高さ65センチ)は、町の公式マスコット「雪丸」のモデル。古文書『達磨寺略記』には、太子の愛犬だった雪丸が人の言葉を理解し、お経を読めたと記されている。江戸時代には「雪丸像が元日に鳴くとその年は豊作になる」との言い伝えがあったといい、これら民俗的観点を評価した。
ほかに指定されたのは「達磨寺旧本堂瓦製露盤」と「聖徳太子御絵指示」。瓦製露盤(高さ98センチ)は、元禄5(1692)年に法隆寺の瓦大工・橘吉長が手がけたと伝わる屋根飾り。長年、達磨寺本堂の裏手に野ざらしで置かれていたが、町教委は「寺の歴史的変遷を示す重要な遺品」として、今年度に修復作業を行い、境内で常時公開するという。
聖徳太子御絵指示は、全長19・2メートルの巻物。鎌倉時代末期に橘寺の長老・法空が太子の伝記を著した『上宮太子拾遺記』と同じ内容で、同時代の写本と考えられる。町教委による達磨寺の古文書調査で見つかった。
原本はなく、全国で5点の写本が確認されているが、法隆寺所蔵以外のものはいずれも江戸時代以降に書き写されたとされる。16、17日の午前10時~午後5時まで、達磨寺本堂内で特別公開される。拝観は無料。
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