藤原宮の大極殿基壇 東西52㍍、南北27㍍規模と判明 奈文研紀要
天皇が政務を行った藤原宮(694~710年)大極殿の基壇の推定規模が東西約52メートル、南北約27メートルと判明し28日、奈良文化財研究所が研究紀要で発表した。大極殿基壇は現在、「大宮土壇」として橿原市の藤原宮跡に残るが、後世に周辺部が削られ、正確な規模は不明だった。
奈文研は昨年夏、大宮土壇の南側で、大極殿基壇の南側に取り付く3つの凝灰岩製の階段のうち、中央階段と東階段の遺構を初めて確認。戦前に行われた大宮土壇の発掘調査結果や、奈文研OBで三重大学の小澤毅教授による大極殿復元案などを総合的に検討した結果、規模が東西約52メートル、南北約27メートルと推定できることがわかった。
基壇上には周囲に庇を持つ東西約44メートル、南北約19メートルの大極殿建物が建ち、基壇には南北に各3つ、東西に各1つの計8つの階段が取り付くと考えられている。
藤原京の大極殿建物は遷都のため平城京に移築され、その後さらに恭仁京に移されたとみられる。平城宮跡(奈良市)には現在、大極殿が復元されている。
奈文研は「この値で矛盾なく説明でき、恭仁京などのデータともおおむね一致している。今後、大宮土壇の再調査を含めさらに発掘調査を行い、データを確認したい」としている。
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