下落幅6年連続で縮小 平均マイナス0・5%に 路線価 最高は近鉄奈良駅前
1日付で公表された平成28年分の県内の標準宅地1平方メートルあたりの路線価は、対前年の平均増減率がマイナス0・5%となり、8年連続の下落となったものの、6年連続で下落幅は縮小した。
県内の最高路線価は、奈良税務署管内の奈良近鉄ビル前の大宮通り(奈良市東向中町)の54万円で、33年連続で最高。対前年の上昇率は1・9%だった。外国人観光客の増加や、アーケード商店街を中心に新規出店が見られるなど、にぎわいが回復基調にあるのが上昇の原因とみられる。
前年と比べ横ばいだったのは、葛城税務署管内と桜井税務署管内。
葛城税務署管内は、近鉄大和八木駅前南通(橿原市内膳町)で26万円。近鉄大阪線と橿原線の結節点で、橿原市が駅南側に分庁舎を併設したホテルなど複合商業施設を計画しており、今後の発展が期待されている。
桜井税務署管内では、近鉄桜井駅前の桜井駅北口線(桜井市川合)で11万5千円。市役所や県総合庁舎などの行政機関の玄関口となっているが、近年は中和幹線沿いに見られる郊外型商業施設の進出により、顧客が分散傾向にあるのが、横ばいの一因という。
一方、吉野税務署管内は近鉄下市口駅前(大淀町下渕)で4万6千円(マイナス4・2%)となった。林業の衰退や人口減少、高齢化などが下落につながっているという。
路線価…主要道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額。土地の相続や贈与を受けた人の税額を算出する基準となる。
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