【月刊ならスポ】「結果出せた。将来は欧州へ」、奈良北高自転車部主将・吉岡さん
奈良北高校自転車競技部主将、吉岡衛さん(16)
9月27日、和歌山印南町で開催された国体自転車競技の少年男子ロードレースで、3位に入賞した。昨年6月の全日本選手権(17歳以下)でも2位。将来が期待される選手の1人だ。夢は先輩に続いてプロチームに入り、自転車競技が盛んな欧州で活躍することという。
「国体はビッグイベント。やっと結果を出すことができて、本当にうれしい」。米国製の愛車に乗りながら笑顔をみせた。
今回の国体ロードレースは、厳しい登りのある周回コース(全長94・8キロ)で行われた。出場78選手中、完走はわずか12人という壮絶な展開。そんな中、2人に先行を許すも、ゴール前のスプリントを抜け出して3位に入った。
「最後は力勝負。優勝のチャンスもあったので悔しいという思いもありますが、今回の結果は次へのステップになりました」
自転車が趣味という父親の影響で、わずか2歳で自転車に乗り始めた。小中学校時代は、斑鳩町のクラブチームのメンバーとして練習を積んだ。
一躍注目を集めたのは昨年6月、岩手県で開催された全日本選手権ロードレース(79キロ)での準優勝。ゴール直前のスプリントを制し、優勝かと思われたが、ガッツポーズをしている隙に他の選手に抜かれ、優勝をさらわれた。思わぬ展開に「勝ったと思ったのですが…」と、本人も苦笑いする。
得意は中長距離。練習では、学校から奈良市東部の山間地域を往復する。1日約50~60キロ、土日は約100キロを走り込む。「練習すればするほど強くなる。厳しい練習を完遂したときの達成感や、他の選手との独特の駆け引きも自転車の魅力です」と話す。
一般的に、ロードレースは先行集団をメーン集団が追走する、という展開でレースが進む。そうした中、めざすレース展開は先行逃げ切り。メーン集団でチャンスを待つより、自分でレースをリードしようという積極派だ。
日本でも自転車競技の関心は高まりつつあるが、なんといっても本場はツール・ド・フランスに代表される欧州。プロの自転車チームに所属し、本場で活躍する山本元喜選手(23)は同じ奈良北高校出身の先輩で、目標とする選手だ。
プロへの第1歩として、今回の国体3位は大きな自信になった。「来年はインターハイや国体で優勝し、チャンピオンになることをめざしたい。大学でも結果を出し、将来は欧州で活躍したいと思っています」と話した。(野崎貴宮)
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