数値目標は出た。問題はどうやるかだ 県が地方創生総合戦略公表
県は、人口減少対策のため各都道府県と市町村に平成27年度中の策定が求められている地方版の「地方創生総合戦略」を公表した。大阪からの「脱ベッドタウン」を掲げ、企業誘致や高齢者の仕事創出、女性の就労支援など、各分野を強化。平成31年度までの5年間で県内就業者数を1万人増やすなどとした数値目標を定めている。
総合戦略は、部局長らで構成する県地方創生本部で昨年8月から5年間で達成する数値目標や施策、人口ビジョンについて議論が進められてきた。国は昨年12月に総合戦略をまとめている。
県の総合戦略では、荒井正吾知事が提唱する「住んで良し」「働いて良し」「訪れて良し」をコンセプトに、約130の数値目標を設置。目標達成のため56項目の施策と事業を示している。
主な数値目標は、県内で働く人を1万人増の約46万人▽100件の企業立地の実現▽農業産出額を3億増の435億円▽延べ宿泊者数を53万人増の280万人▽外国人宿泊者数を18万人増の33万人―など。
一方、人口ビジョンでは、72(2060)年の県の人口を105万以上とする目標を設定した。県の人口は11年の144万人をピークに減少の一途をたどり、現在は約137万人。国立社会保障・人口問題研究所では「何ら対策を講じない場合」は、72年の県の人口は83万9千人にまで落ち込むとしているが、各施策を積極的に進めることで可能になると推測している。
また、合計特殊出生率は全国ワースト3位だった26年の1・27から72年には2・07まで上昇させたいとしている。
県の総合戦略は、県政策推進課のホームページで閲覧できる。県によると10月末時点で、地方創生総合戦略を策定した県内市町村はこれまで奈良市や天理市など、7市町村にとどまっている。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)