3・6メートルの巨大グラブ大仏に奉納 東北の復興願い
東日本大震災の被災地に夢や希望が育まれることを願い、東大寺(奈良市)の盧舎那仏(大仏)の右手に合わせ作られた巨大グラブ(全長3・6メートル、重さ180キロ)が26日、大仏に奉納された。大仏殿前では携わった中学生らが奉納を記念しキャッチボールを楽しみ、交流の輪が広がった。
グラブは今年3月から「大仏グラブプロジェクト」として、大和郡山市のグラブ工房「BBA」が牛16頭分の牛革を使って制作開始。宮城、岩手、福島各県や県内の野球少年ら2千人以上の子供たちが携わり、8月末に縫製作業を終えた。
奉納式には、福島県や県内中学校の野球部員ら約200人が参列。奉納者を代表し、大仏グラブ実行委員会の梅原伸宏委員長が「グラブには震災の復興を祈る気持ちが詰まっている。復興のシンボルとしてグラブを見て、心を被災地に寄せてほしい」とあいさつ。東大寺の筒井寛昭別当は「グラブが『震災を忘れないでおこう』というものになれば。早く復興が進むことをお祈りします」と話した。
その後、中学生らは大仏殿前の芝生で、100年前のビンテージグラブを使ってキャッチボールに熱中した。
福島県いわき市立錦中2年で野球部主将の一条尊君(14)は「大仏グラブは僕たちの将来を照らしてくれる復興のシンボル。自分も野球で復興に関われれば」と笑顔。田原本町立田原本中2年で野球部主将の細井戸智也君(14)は「除幕式でグラブを見たとき、本当に大きく感じた。グラブは東北で復興のきっかけになる存在となってほしい」と話した。
グラブは27日~1月9日は大仏殿、同月10日~3月8日はやまと郡山城ホールで展示。3月11日からは福島県いわき市でも展示される予定。
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