一斉に「エイ」「ヤー」 宝蔵院流槍術の稽古始
奈良発祥の古武道「宝蔵院流槍術」の稽古始が9日、奈良市中央第二武道場で行われ、20~70代の伝習者約50人が型の一斉稽古に汗を流した。
宝蔵院流槍術は約450年前、宝蔵院(興福寺子院の一つ)の僧、胤栄が創始したとされる。穂先が十文字型の槍「鎌槍」を使うのが特徴。「突けば槍、薙げば薙刀、引けば鎌」と歌に詠まれるほどの万能武器を自在に操る槍術は、江戸時代には多くの藩で取り入れられ、国内最大の流派として栄えた。
現在は奈良や大阪のほか、ドイツなどにも道場を構え、約100人の伝習者がいるという。
この日は、第21世宗家の一箭(いちや)順三氏(66)が稽古を前に「500年、千年伝えられるよう、後進に受け継ぐことを意識し、稽古しましょう」とあいさつ。2人1組みの型稽古の後、14の型を50人が一斉稽古し、道場には「エイ」「ヤー」という力強い声が響いた。
稽古後は恒例のコンニャクをタヌキの肉に見立てた「狸汁」が200人分用意され、参加者や市民に振る舞われた。大根やゴボウ、ニンジンが入り、みそで味付けされた狸汁に訪れた人は舌鼓を打っていた。
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