癒やされる~「猫窓」 金魚のまちの新たなスポットに 大和郡山
「金魚の街」として知られる大和郡山市であるスポットが話題になっている。「猫窓」と呼ばれるものだ。
〝商店街にある平屋建ての建物内で暮らす5匹の猫を窓越しにめでられる〟というだけだが、口コミで広まり、商店街マップや案内板にも掲載されるまでに。地元は「金魚に次ぐ街の名物に」と意気込んでいる。
「猫窓のネコさん/5匹揃っていれば大吉/4匹なら中吉/3匹は小吉」
城下町の面影が残る同市の柳町商店街の入り口の掲示板には、こんな文言が踊る。「猫窓」の表記が浮かぶ観光マップを頼りに見つけた建物は、看板もない古い小さな平屋建て民家。中をのぞくと、ソファや棚の上で、5匹の猫がのんびりくつろいでいた。
5匹は、2軒隣の広瀬由香さん(44)一家の飼い猫。メスの「なな」と、オスの「ちゃー」「こてつ」「あすか」の4匹は14年前、広瀬さんが段ボールに入れて捨てられていたのを見つけ連れ帰った。もう1匹のメス「ゆうこ」は10年前、広瀬家に現れた迷い猫だという。
広瀬さんに子供が生まれたのを機に4年前、猫たちは物置として使っていたこの建物に居を移した。当初は「寂しくないかな」と心配したが、しばらくすると窓辺で日なたぼっこをし、ソファでくつろぐ猫の様子が窓越しに〝堪能〟できることが商店街の話題に。SNSに写真が掲載され、おやつのプレゼントも届くようになった。
人気の広がりに目をつけたのが、地元の商店街協同組合。カラフルなテープで窓枠を飾り、窓に並ぶ猫の数で運勢を占う案内板を作ると、人々が訪ねるようになった。
協同組合によると、「猫窓」は、商店街では電話ボックス内で金魚が泳ぐ「金魚ボックス」に次ぐ人気スポットになっている。同組合の玉井康道理事長(64)は「まさに商店街に人を呼ぶ招き猫だ」と話す。
一般社団法人「ペットフード協会」の昨年の調査では、減少傾向の犬の飼育数(推計991万7千匹)に対し、猫の飼育数は987万4千匹と肉薄。「空前の猫ブーム」とされる。
経済効果は昨年1年間で約2兆3千億円に上ったとの試算もある。玉井理事長は「訪れるたくさんの人に愛されるよう『猫窓』をより充実させたい」と、金魚の街は〝猫シフト〟を計画している。(浜川太一)
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