昭和50年代以降発掘の土器など展示 飛鳥資料館で企画展
昭和50年代以降に橿原市や明日香村などで行われた発掘調査成果を紹介する企画展「飛鳥の考古学2015」が、同村の飛鳥資料館で開かれている。初公開資料を含め、これまで詳しく紹介されていない考古調査の成果などを見ることができる。
展示されているのは、考古資料223点とパネル49点。明日香村の真弓テラノマエ古墳(7世紀前半)では平成21年度の村教委の調査で、結晶片岩を積み上げた構造の石室を確認。床面には漆喰で固定した平瓦が敷き詰められていた。展示では、漆喰の付いた平瓦を見ることができる。
同古墳では結晶片岩を階段状に積んだ石積み遺構も出土。昨年1月に舒明天皇の初葬墓として注目を集めた小山田遺跡(7世紀中ごろ)でも同じような階段状の石積みがみられ、関連が注目されている。
同じ真弓地区にあるカヅマヤマ古墳(7世紀後半)でも結晶片岩で構築された石室が確認され、関係資料として漆喰が付いた結晶片岩が展示されている。
また、八角形墳で文武天皇の墓の可能性がある中尾山古墳(8世紀初め)近くの斜面では昭和56年、橿原考古学研究所の調査で、飛鳥時代の人工的な掘割や土器(杯類、壺、甕)が出土。掘割は古墳に使う石材を運び上げるためのコロ道(修羅道)として使われたとみられ、石敷き遺構も見つかった。土器は造墓に伴う資料の可能性があるという。
このほか斉明天皇らの墓とされる牽牛子塚(けんごしづか)古墳から出土した夾紵棺(きょうちょかん)と呼ばれる棺の破片、推古天皇と竹田皇子の合葬墓とされる植山古墳で見つかった歩揺付飾金具や三輪玉、上5号墳出土の馬具、小山田遺跡出土の室生安山岩なども並んでいる。
3月6日まで。問い合わせは飛鳥資料館(☎0744・54・3561)。
ホームページはhttp://www.nabunken.go.jp/asuka/
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