子育てシェアで民間と手を組む 生駒市が「アズママ」と全国初の協定
生駒市は、「子育てシェア」事業を全国で展開する株式会社「AsMama(アズママ)」(本社・横浜市)と、地域の育児環境を充実させるための連携協定を結んだ。同社と連携協定を結んだ自治体は全国で初めてで、市は地域ぐるみの子育て支援を通じ、女性の就業促進などにつなげる考えだ。
平成21年創業の「アズママ」は、子育てを助け合う「子育てシェア」サービスの利用希望者がインターネットで会員登録する会員制のサイトを運営。現在の登録者数は3万5千人に上る。
サイトでは、会員の氏名(原則本名)と住所(都道府県・市区町村)を公開、知人同士なら連絡を取り合える。会員が連絡を取り合う際は互いの携帯電話の下4桁の入力が必要なため、見知らぬ会員がつながることはない。
たとえば「仕事で帰宅が遅れるので、保育園の迎えを頼みたい」場合は、サイトを通じて複数の友人に一斉送信。都合のつく友人が返信すれば「子育てシェア」が成立する―という仕組みだ。終了後は当事者間で現金やクレジットカードで謝礼(1時間500円)を渡す決まりになっている。
「友人が少なく、頼れる人がいない」利用者には、アズママ公認の託児研修を受講した認定支援者「ママサポーター」が対応。全国約500人のサポーターが支援するという。
アズママを立ち上げた甲田恵子社長(40)は「子育てシェアは、『ご近所の頼り合い』の現代版のような制度。ママ同士が安心して頼り合うことで、育児も仕事もやりたいことが可能になる」と話す。
市は今後、同社と連携して市内の幼保育園などで事業の周知活動を行うほか、子育て世代向けのイベントを開催するなどし、街全体での「子育てシェア」実現を目指すという。
ママ同士の出会いの場、地域交流会も人気
アズママが「子育てシェア」と並行して実施しているのが、子育て支援を希望する親子と、支援したい人が出会える「地域交流会」だ。全国のママサポーターが運営し、生駒市コミュニティセンターで2月に開かれた交流会には約15組の親子が参加。持参した弁当を食べながら自己紹介などをし、交流の輪を広げた。
次女の咲幸ちゃん(1)と参加した生駒市の主婦、岡崎真弥さん(29)は最近、歯科に通院する友人のため、約2時間4歳の息子を預かったが、「お礼」に菓子折りをもらうなど、互いに気を使ってしまったという。岡崎さんは「どれだけ仲が良くても、子供を預けるとなると気を使ってしまう。アズママはワンコインで気軽に子供を預かり合えるので魅力的」と話した。
ママサポーターとして活動する佐村佐栄子さん(41)は保育士の勤務経験から「保育園への送り迎えが間に合わないなど、子育ての困難に直面する母親の姿を何度も見てきた」といい、「サポートを通じてママたちの〝自分らしさ〟の創造につながれば」と話した。
アズママのホームページはhttp://asmama.jp/
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