方墳の基礎遺構発見 谷を埋め立て〝古代の造成工事〟 小山田遺跡
舒明天皇や蘇我蝦夷の墓の可能性がある明日香村の小山田遺跡(巨大方墳、7世紀中ごろ)で方墳の基礎部分とみられる遺構が新たに見つかり、橿原考古学研究所が発表した。幅約50メートルの谷を埋めて造られており、橿考研は「権力者にふさわしい大規模な造成工事が行われたことがわかった」としている。
遺構が見つかったのは、昨年1月に方墳の墳丘(一辺50メートル以上)が確認された場所から西約11メートルの地点。地表下約3・5メートル地点から方墳の基礎部分と考えられる粘土を固めて造成した斜面状の遺構(幅3・5メートル以上、長さ3メートル以上)が見つかった。
斜面の厚みは3メートル以上あり、古墳築造以前は幅約50メートルの谷だった場所を広範囲に埋め立てたことがわかった。斜面上からは、方墳の濠に敷かれた石と同じ室生安山岩などが確認された。
今尾文昭・橿考研調査課長は「権力者にふさわしい大規模な造成工事で墓がつくられていることがわかった。方墳を復元する重要な資料になる」としている。
小山田遺跡では、濠を伴う一辺50メートル以上の飛鳥時代の巨大方墳の基底部が見つかり、日本書紀に登場する舒明天皇の初葬墓(滑谷岡陵)や、大豪族・蘇我氏の首領、蘇我蝦夷の墓(大陵)の可能性があるとみられている。
橿考研は調査成果を紹介する展示会を26日~4月17日に付属博物館で開く。問い合わせは同館(☎0744・24・1185)。
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