富本憲吉の陶芸の世界を堪能 県立美術館で生誕130年記念展
安堵町出身の近代陶芸の巨匠、富本憲吉の生誕130年を記念し、県立美術館で企画展「富本憲吉 憧れのうぶすな」が開かれている。初公開作品を含む初期から後期の陶芸、絵画、書など70点が並び、富本が歩んだ道を示す構成となっている。
富本は明治19年に現在の安堵町に生まれ、イギリス留学などを経て全国各地で技法を学び、昭和30年に「色絵磁器」で重要無形文化財保持者に認定された。
企画展は2部構成で、第1部の「富本憲吉のうぶすな」では、安堵町の風景をモチーフにした作品など34点を展示。初期作品らしく試行錯誤した様子や、地元への愛着が感じられる展示となっている。
第2部の「華麗なる富本芸術の輝き」では、代表作の「磁器 赤地金銀彩羊歯模様 蓋付飾壺(じき あかじきんぎんさいしだ もよう ふたつきかざりつぼ)」など、色鮮やかで複雑な技巧の後期作品36点を展示。富本の芸術的な変遷が感じられる。
安堵町制30周年を記念し、同町との連携展示「憲吉の望郷~大和安堵の風土と人々~」も同時開催。9月25日までで、同館は「展示を通じて富本憲吉の世界を知ってほしい」としている。
観覧料は一般400円、高校・大学生250円、小中学生150円。月曜休館(9月19日は開館し、翌日休館)。問い合わせは県立美術館(☎0742・23・3968)。
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