伝統の「奈良晒」について知っていますか? 県立民俗博物館で展示
江戸時代には「麻の最上は南都なり」とも評された奈良の伝統産業「奈良晒(さらし)」の実物や製造工程を展示する「布に秘められた技」が大和郡山市の県立民俗博物館で開催されている。
奈良の伝統産業の歴史を知ってもらおうと、同館や実行委などが企画。江戸時代には高級麻織物だった奈良晒は、徳川家康も愛用。幕府の「御用布」として全国に流通していたが、明治以降は武家の没落とともに生産量も衰退の一途をたどった。その技術は「奈良晒の紡織技術」として昭和54年に県の無形文化財に指定され、月ケ瀬奈良晒保存会(奈良市)が技術継承や後継者育成に取り組んでいる。
特別展では、奈良晒について描かれた江戸時代の絵図や、奈良晒の見本布、製造工程を紹介するパネルなどを展示。越後、越中、近江など他地域の麻織物との比較など、約100点が並んでいる。
9月4日まで。開館は午前9時~午後5時。月曜休館。一般200円、大学生150円、以下無料。問い合わせは、県立民俗博物館(☎0743・53・3171)。
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