癒やされる~~ 「まんまるパンの世界」展 県立図書情報館で
昔ながらの手法で人形絵本「まんまるパン」を制作した田原本町在住の人形作家、Yoko―Bon(ヨウコボン)さんが、絵本に使った人形やジオラマなどを展示した「人形絵本まんまるパンの世界展」が、奈良市の県立図書情報館で開催されている。
「人形絵本」は、絵画の代わりにハンドメードの人形と背景のジオラマを撮影した写真で物語を伝える「実写絵本」。昭和27年に日本で誕生すると一大ブームとなり、外国語版は海外に輸出。テレビ人形劇も登場した。
ヨウコボンさんは、足のけがで入院中にフェルト生地での人形づくりに没頭。これを機に百貨店やホテルなどに出展、15年ほど前から作家として活動を始めた。現在は田原本町の自宅兼アトリエで、人形やジオラマを制作している。
「まんまるパン」(群像社刊)は、老婦人が作ったパンが逃げ出してウサギやオオカミ、クマなどさまざまな動物に出合うストーリーのロシア民話。ヨウコボンさんは人形や背景のジオラマなどの制作を1人で手がけた。「ロシアの人が見ても『原作通り』と思ってもらえるように」と、現地の文学者にもアドバイスをもらって何度も手直しを重ね、絵本完成までには3年半かかったという。
展示では、ジオラマや人形が並ぶほか、絵本の制作過程などを紹介するパネルも。ヨウコボンさんは「デジタルな世の中だけれど、アナログで温かみのある人形やジオラマを見て、絵本の世界を旅するような気分になってほしい」と話した。
29日まで。24、25日の午前11時と午後2時からは、ヨウコボンさんのギャラリートークが行われるほか、「まんまるパン」の関連書籍やパン屋、カフェが出展する「まんまるパンマーケット」(午前10時半~午後4時)も開催。入場無料。入館時間は午前9時~午後8時。26日は休館。問い合わせは同館(☎0742・34・2111)。
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