大和郡山→鳥取、風船がつないだ縁 片桐幼稚園に梨と笑顔が届く
花の種とともに風に乗った風船が、大和郡山市の幼稚園児と、鳥取市の梨園の男性をつないだ―。大和郡山市の市立片桐幼稚園(坂本佳代子園長、74人)の園児らが今年7月、コスモスの種をつけて飛ばした風船が、200キロ以上離れた鳥取市で梨園を営む西川忠博さん(66)の元に届いた。思いがけない〝贈り物〟に「元気が出た」という西川さんは、収穫した梨を園に贈呈。園児らが感謝の絵手紙を送るなど、温かな交流が続いている。
「風船飛ばし」は、同園が1学期の終業式に毎年実施している恒例イベント。今年は7月16日午前10時ごろ、園庭で育ったコスモスの種を入れた袋を風船に結びつけ、100個を園児らが空に飛ばした。
折しも、台風11号が西日本に接近中だったため、当時は「風が強かった」(坂本園長)という。風船はその日のうちに鳥取市内まで運ばれ午後1時ごろ、梨に害虫や日焼け防止の袋をかける作業中だった西川さんが、梨園の通路に割れた赤い風船が落ちているのを見つけた。
鳥取県庁に勤めていた20代半ばのころ、大和郡山市を旅行したことがあるという西川さん。「山間の梨園まで風船がたどり着いたのは、いくつもの偶然が重なったからで、これも何かの縁」と、種が入った袋に書かれた幼稚園の住所宛てに、お礼の手紙を書いた。
園児らは「風船を見つけてくれてありがとう」などと返信。9月初旬には、西川さんが育てた「二十世紀梨」が園に届き、今月14日には、風船に付けたコスモスの種から「花が咲きました」との手紙とともに、再び西川さんから梨が届いた。
風船が結んだ西川さんとの縁に、坂本園長は「子供たちの気持ちを優しく受け止めてくれたことがありがたく、子供たちは本当にいい経験ができた」。西川さんは、「子供たちの手紙で、農作業の疲れが癒やされた。これからも鳥取の梨で、子供たちと交流を続けられたら」とうれしそうに話していた。
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