140年ぶりのそろい踏み、廃寺・眉間寺の三尊像 東大寺ミュージアムで公開
聖武天皇陵(奈良市)のそばにあり、栄えながらも明治時代に廃寺となったとされる眉間(みけん)寺の本堂に安置されていた阿弥陀如来坐像(重要文化財)と釈迦如来坐像、薬師如来坐像の三尊が、東大寺ミュージアム(同市)で公開されている。三尊が並ぶ姿を拝観できるのは約140年ぶりという。
眉間寺は一説では、奈良時代に開かれたともされる。江戸時代の「大和名所図会」によると、本堂や観音堂、多宝塔などがあったらしいが、詳しいことは分かっていない。
三尊は眉間寺本堂にあったとされるが、廃寺後は東大寺に移されて、収蔵庫や勧進所阿弥陀堂に分けて安置されており、今回は三尊を並べる貴重な鑑賞機会となっている。
阿弥陀如来坐像は平安時代の木造で、像高88・5センチ。丸い顔に伏し目が典型的な定朝様(平安時代の仏師、定朝に始まる様式)となっている。また、釈迦如来坐像、薬師如来坐像はいずれも鎌倉時代の木造。
同ミュージアムの永井洋之学芸員は「江戸時代に眉間寺本堂にあったことを示す銘文があり、三尊を通じこの本堂の様子を知ってもらいたい」と話している。
三尊の展示は来年3月下旬までの予定。中学生以上500円、小学生300円。問い合わせは、同ミュージアム(☎0742・20・5511)。
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