国内最古の木製宝篋印塔初公開 元興寺で秋の特別展
小型仏塔の変遷をたどる元興寺(奈良市)と同寺文化財研究所の秋季特別展「小仏塔の世界-舎利奉納と遺骨埋納」が、同寺法輪館で開かれている。木造で国内最古とみられる金光寺(福島県いわき市)の木製宝篋(ほうきょう)印塔(供養塔)が初公開されるなど、貴重な展示品が並ぶ。11月8日まで。
塔のルーツはインドにあり、もとは釈迦の墳墓。やがてさまざまに装飾され、国内では五重塔や小仏塔などとなり残っている。展示では小仏塔の変化をたどれるよう、奈良時代から近代の百万塔や五輪塔、宝篋印塔など約90点を並べた。
金光寺の宝篋印塔は対になっており、高さ約90センチ。今年5月にいわき市文化財に指定された。文保2(1318)年作と示す銘文があるため木造では最古の宝篋印塔といい、同研究所の狭川真一副所長は「珍しいもので重要文化財級」と評価している。
また、圓教(えんぎょう)寺(兵庫県姫路市)の開山堂床下から、同寺を開いた性空(しょうくう)上人の遺骨が納められた壺とともに見つかった鎌倉時代の石造五輪塔を展示。このほか、高野山奥の院出土の小さな一石五輪塔(室町時代)や、粘土を型に入れ量産された泥塔(同)など、さまざまな塔が並んでいる。
入館料は大人600円、中学・高校生300円、小学生100円。問い合わせは元興寺文化財研究所(☎0742・23・1376)。
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