春日信仰とおん祭の秘密に迫る 奈良国立博物館で特別陳列
今年で880回を数える「春日若宮おん祭」(15~18日)に合わせ、奈良国立博物館(奈良市)では特別陳列「おん祭と春日信仰の美術」が開かれている。春日大社の摂社・若宮神社のご神体が移るお旅所の御仮殿にスポットをあて、関係する資料や美術品計51件(うち国宝3件、重文5件)を展示。1月17日まで(展示替えあり)。
ご神体を迎える御仮殿は毎年造られ、黒木の柱で、松葉で屋根が葺かれるのが特徴。その前の芝舞台は神楽や田楽、舞楽などが奉納される「古典芸能の聖地」だ。
展示品のうち、法隆寺に伝わる鎌倉時代の「春日宮曼荼羅」にはお旅所とみられる区画が描かれ、現在と位置がほぼ変わらないことが確認できる。明治時代の「春日社若宮祭図解上巻」ではお旅所の様子が細部まで描かれている。
平安時代の「銅造狛犬」(国宝)は若宮神社の神宝として伝わり、像高は20センチに満たない大きさだが、現存する狛犬の最古例の一つという。このほか、江戸時代の「春日若宮御祭礼絵巻」や同時代の「春日若宮祭礼図・鷹狩図屏風」なども展示され、祭りの様子をうかがうことができる。
また、特別陳列の図録では、元春日大社権宮司の岡本彰夫さんが御仮殿(行宮)の用材や調達に関する特論を寄せている。
月曜日(28日、1月11日は除く)と1月1日、12日は休館。一般520円、大学生260円、高校生以下無料。問い合わせは同館(☎050・5542・8600)。
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