仏教の「箱」の美を味わう 大和文華館で特別企画展
経箱・経筒など仏教を飾るさまざまな箱を紹介する特別企画展「仏教の箱-荘厳された東アジアの容れもの」が奈良市学園南の大和文華館で開かれている。国宝、重要文化財を含む約60件を展示。仏教の箱、容器に焦点を当てる初めての企画展となっている。2月21日まで。
仏像を納める厨子や経典を入れる経箱・経筒などは金や銀、漆などで装飾され、今回は中国や朝鮮、日本の品々を通じて当時の信仰心と美意識をうかがうことができる。
国内の展示品のうち、比叡山延暦寺の「金銀鍍宝相華唐草文経箱」(国宝、平安時代)は藤原道長の娘、上東門院彰子が書写した法華経を納めて比叡山に埋納したものとされており、美麗な文様で彩られている。また、「銅板地螺鈿花鳥文説相箱」(重文、同)は僧が説教などを行う際に使われた箱で、宝相華文と鳥が螺鈿(貝殻を使う装飾技法)で表わされ、豪華。こうした平安時代から江戸時代までの箱、容器が並び、見応えのある展観となっている。
大和文華館の瀧朝子・学芸部係長は「仏教の箱を飾りたてることで思いや願いが込められ、いかに大切に残されてきたかを知ってもらいたい」と話している。
月曜休館(11日は開館し、翌12日が休館)。一般620円、高校・大学生410円、小・中学生無料。問い合わせは大和文華館(☎0742・45・0544)。ホームページはhttp://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/
【関連記事】
(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)