国の宝、後世に伝える現場を見る 文化財修理作業一般公開
仏像など文化財の修理作業を一般公開する「文化財保存修理所特別公開」が奈良市の奈良国立博物館で開かれ、約120人が研究員の解説に耳を傾けながら作業の様子を見学した。
修理所は平成14年、国宝や重要文化財などの保存修理と調査研究を目的に、京都国立博物館に次いで国内で2番目に開設。特別公開は、普段見ることのできない文化財の修理、修繕工程を知ってもらおうと21年から毎年開催されている。
14日は、文化財保存修理所内にある仏像などを修理する「彫刻室」、漆工芸品などを修理する「漆工室」、絵画や書跡を修繕する「装こう室」などを公開。参加者は、刺繍釈迦如来説法図(国宝)や、東大寺の木造四天王立像(重文)などの修理、修繕作業が行われている様子を窓越しに見学しながら、同館研究員による解説を熱心に聞いていた。
同館保存修理指導室の鳥越俊行室長は「修繕、修理の作業は50年、100年先を考えて行われている。国宝、重文など、国の宝を後世に伝える国立博物館の役割を少しでも知ってもらえたら」と話した。
参加した奈良市の大学院生、浅野咲さん(22)は「何年もかけて文化財を次の世代に伝えていこうとする姿に感動しました。学芸員を目指しているので、いい勉強になりました」と話していた。
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