染料は海外の植物だった 正倉院宝物の敷物の調査で初確認
2016年05月4日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
正倉院宝物の羊毛製の赤い敷物「色氈(せん)」の染料に、西洋茜(あかね)や蘇芳(すおう)など海外の植物が使われていることが、宮内庁正倉院事務所(奈良市)が行った高速液体クロマトグラフィーによる調査で分かった。正倉院宝物の染料に西洋茜などが確認されたのは初めてという。
宝物のうち、奈良時代のものとみられる北倉の色氈3点の繊維を分析した結果、西洋茜の使用が判明。北倉の色氈7点には、海外の蘇芳が染料に使われていることが分かった。南倉の方形天蓋(笠状の装飾)のひもは紫根と日本茜の重ね染めだった。
同事務所の中村力也・保存課調査室長は「今後さらに情報を蓄積していきたい」としている。
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