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【まちの近代化遺産】昭和のたたずまい感じる 大神神社大礼記念館本館


 三輪山(467メートル)の麓に社殿が点在する桜井市の大神神社境内の一画に、昭和3年に建てられた木造平屋の大礼記念館本館がある。西側の大規模な新館(鉄筋コンクリート造り2階建て)の陰に隠れてあまり目立たないが、瓦葺きの建物は歴史を感じさせる。

日本庭園を持つ大礼記念館本館

日本庭園を持つ大礼記念館本館

 神社は本館を「昭和の間」と呼び、案内板にもそう書かれている。入り母屋造り瓦葺きで、広さ約200平方メートル。内部はカーペット敷きの広間で、70人ぐらいが入ることができる。

 今も現役で使用されており、広報課の権禰宜、山田浩之さん(51)は「神社のイベントの三輪山体験教室や俳句会、結婚式の披露宴などに使っています。新館と補完し合いながら一緒に使うこともあります」と説明する。

 建物は中心部に柱がなく、入側柱と呼ばれる周辺部の柱などで屋根を支える構造。床から天井までは約3・7メートルと高く、正面(西側)のガラス戸を通して日光が差し込む開放的なつくりになっている。西側の屋根に檜皮葺きの屋根飾り「唐破風」を付けることで、正面であることを示している。

唐破風の上の装飾

唐破風の上の装飾

 山田さんによれば、本館は靴のまま入ることができる神社唯一の〝洋館〟。机と椅子も置かれ、「以前から洋間的に使っている」という。靴を脱いで中に入る新館とは対照的なスタイル。参拝関係の会合では無料で利用でき、それ以外でも申し込めば有料で使用できる。

 平成10年に改修され、東側内部に倉庫が設けられたものの、ほぼ建築当初の姿をとどめている。古事記や万葉歌を記した額も飾られ、約90年の歴史の重みを感じることができる。

 設計を担当したのは、県内で多くの社寺建築を手がけた技師・高田清一郎さん。建築当初は現在、新館がある場所にあったが、昭和49年の新館建設に際して、曳家工法で現在の場所に移された。

開放感のある本館内部

開放感のある本館内部

 本館の前には松や桜が植えられた日本庭園を配置。本館と庭園は一体化しており、緑が多い大神神社の中でも独特の落ち着いた雰囲気を漂わせている。庭園から外に出て西を見れば、同社の大鳥居や大和盆地の街並み、遠くには二上山まで見渡すことができ、特に春には桜と二上山がマッチして美しい光景をつくり出すという。(野﨑貴宮)

 ■ひとくちメモ 大神神社の建物では、社務所(鉄筋コンクリート造り)北側にある平屋の斎館も高田清一郎さんの建築。神官が装束を身につける施設だが、現社務所ができるまでは社務所として使われていた。重厚な雰囲気を漂わせる立派な建物だ。

 神社では江戸時代に将軍・徳川家綱によって再建された拝殿、ご神体の三輪山と拝殿を区切る場所に建つ三ツ鳥居、三輪の神の子孫の大直禰子をまつる大直禰子神社の社殿が、重文に指定されている。

鉄筋コンクリート造りの新館

鉄筋コンクリート造りの新館

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