高齢者の虐待防止へ 成年後見制度について学ぶ講座8月4日に開催
高齢者虐待問題の現状と、その防止に有効とされる成年後見制度について学ぶ介護講座「高齢者虐待 成年後見制度」が8月4日午後1時から、福祉住宅体験館(田原本町)で開かれる。
講師を務めるのは、奈良弁護士会の佐々木育子会長と、一般社団法人「今井あったかサポート」(橿原市)代表理事で社会福祉士の石井日出弘さん。社会問題となっている高齢者虐待では、被害者の多くが認知症患者とされ、判断能力が不十分な人に代わって財産管理などを行う成年後見制度の活用が防止につながるとされる。講座では、制度の利用方法などを具体的にわかりやすく解説する。
定員30人(応募多数の場合は抽選)、資料代300円。申し込みは21日までに県介護実習・普及センターに電話(☎0744・32・8848)やFAX(0744・34・2800)で。
進まぬ制度利用、不正防止も課題
高齢化の進展に伴って増加が予想されている高齢者虐待。県内でも、家族や親族による高齢者虐待は平成26年度に116件発生し、前年度より1件増加した。被害者の7割以上が女性で、年齢別では85~89歳が最多、種別では身体的虐待が最多だった。
高齢者虐待には、暴力的な行為で身体に傷や痛みを与える「身体的虐待」のほか、必要な介護や医療サービスを受けさせない「介護放棄」、年金を勝手に使ったり、財産を無断で売却する「経済的虐待」など、本人や家族が虐待を自覚していないケースもある。県内で26年度に発生した高齢者虐待の被害者の6割は、認知症患者だった。
判断能力が不十分な認知症患者の場合、虐待被害を防ぐ有効な方法の一つとされているのが、成年後見制度の活用だ。認知症や精神障害などで判断能力が不十分な人に代わり、財産管理などを行う制度で、親族らが家庭裁判所に利用を申し立てると、家裁が判断能力の程度で成年後見人、保佐人、補助人のいずれかを選任する。
ほとんどは親族が務めるが、弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士らが選任されることもある。成年後見人は家裁などに業務報告書を提出し、監督も受ける。成年後見人がいることで、本人に代わって家族などとの調整が行えるため、高齢者の権利保護につながる。
現代は65歳以上の4人に1人が「認知症とその予備軍」とされ、厚生労働省の推計では37年には700万人を超えるとされるが、成年後見制度の利用者は約18万5千人(26年)にとどまっている。制度発足から約15年が経過したものの、利用は十分進んでいないのが現状だ。
一方、成年後見人による財産着服などの不正は昨年521件、被害総額は29億7千万円にも上っており、不正防止も喫緊の課題となっている。
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