真冬夜の平城宮跡に3万人呼べる?県計画の大立山まつり ニセねぶた批判も
県が、真冬の夜に平城宮跡(奈良市)で〝光る巨大な人形〟を巡行するイベントを計画している。高さ5~10メートル、幅9メートルほどで、厄を落とし災いから守るとされる四天王をモチーフに4基を製作。「奈良の冬にも楽しいところがあると観光客誘致につながれば」と意気込むが、「厳しい寒さの中、人を呼び込めるほどの魅力があるのか」との疑問の声も上がっている。
計画では、広陵町などで人より少し大きい人形「立山」を作り、無病息災を願う伝統行事にちなんで「大立山まつり」と命名。今年度補正予算に事業費として2億円を計上した。約3万人規模の集客を目指す。
来年1月29日~2月2日に平城宮跡で開催。人形の巡行のほか、無病息災を祈る神事や、県内各地の伝統行事をステージで披露するイベント、ちょうちん行列、屋台などを楽しんでもらう構想だ。
そもそも、光る巨大な人形とはどんなものか―。青森県で夏に行われる「ねぶた祭」の「ねぶた」をほうふつとさせるが、県観光プロモーション課の担当者は「ねぶたとは大きさも形もちがう」とする。
県が構想する人形は、強化プラスチックを使って中から光らせるもので、今後プロポーザル方式で製作者を決めるという。「四天王ではなく、オリジナルのデザインになる可能性もある。工夫の凝らされた奈良らしく魅力ある案を採用したい」と担当者。人形の製作費として8400万円ほどを見込んでいる。
期間中は会場へのシャトルバスも運行。各種キャンペーンと連動した特別プランやイベントガイドブックの作成、首都圏でのPRにも力を入れるとしている。
それでも、「真冬に行う『にせねぶた祭』だ」「歴史もないまつりで、人形にありがたみが湧くのか疑問」といった批判も。県は「奈良の冬のキラーコンテンツとしたい」とするが、観光客が落ち込む冬の集客を押し上げるイベントとなるか、注目される。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)