認知症患者の徘徊対策 住宅会社がGPSシューズ販売 スマホやパソコンで追跡できる
高齢者向けの賃貸住宅を経営する「ウィッシュヒルズ」(京都府木津川市)は、認知症の人が徘徊して行方不明になるのを防ぐため、衛星利用測位システム(GPS)を靴に搭載した「GPSどこでもシューズ」の販売を始めた。
警察庁によると、平成26年は約430人が徘徊で行方不明になり亡くなった。同社の久保吉伸取締役(49)は「この靴を使ってもらい、一人でも多くの命を救いたい」と話している。
左のかかと部分に、NTTドコモの携帯電話サービス「FOMA(フォーマ)」の回線を利用した小型のGPS端末が埋め込まれていて、スマートフォンやパソコンで現在地を把握できる。専用サイトのIDとパスワードを共有すれば、家族のほか、知人や介護スタッフも位置情報の追跡が可能だ。
同社はこれまで、行方不明になった認知症の入居者の捜索を3度経験した。GPS付きのペンダントや携帯電話を用意しても、外出時に所持しないケースが多く、対策に頭を悩ませてきた。そんな中、徘徊時にも靴は必ず履いて出歩く点に着目し、今年9月にGPS付きの靴を商品化した。
サイズは女性用が22~24センチ、男性用が24~26・5センチ。合成皮革製で黒色。税別3万5千円で、通信料として月額1500円が別途必要。
注文は「どこでもシューズ」カスタマーセンター(フリーダイヤル0120・174192)。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)