【鹿角抄】大切にしたい日本の正月の伝統
15日から、年賀はがきの引き受けが郵便局で始まった。平成27年用の総発行枚数は約33億枚だったという年賀はがきも、28年用の当初発行枚数は約30億。年々減少傾向にあるという。実は記者も高校に進学したころ、ちょうど携帯メールで新年を祝うようになったのを機に、年賀状を送ることをやめてしまっている。
だが、今年の正月は海外留学から帰国して6年ぶりに実家でおせち料理を味わい、久しぶりに日本の季節感を味わって感動した。やっぱり、家族そろって正月を迎えるというのはいいものだと感じた。
先日、県内の幼稚園での餅つきやしめ縄作り体験を取材した。そのとき、関係者が口々に話していたのが「日本の伝統文化に触れる機会が少なくなっているからこそ、子供たちに正月について学んでほしい」ということだった。
保護者に見守られ、「よいしょー!」のかけ声に合わせて、一生懸命に杵を石臼に振り下ろしていた子供たち。「僕、ぺったんぺったんお餅つけたよ」とうれしそうな笑顔が弾けていた。しめ縄作りも地元住民がわらや飾りの準備を手伝い、親子が楽しそうに飾り付けなどを行っていた。
そんな光景に思い出したのは、自分も子供のころ、近所の餅つきや近くの神社などの行事に参加して「何となく」ではあるが、日本の正月について学んでいた、ということだ。近所の大人や年上の友人に連れられてたこ揚げしたり、かるたで遊んだりもした。それが日本伝統の正月らしい雰囲気や気分の記憶として、自分の中にしっかり残っているのだ。
最近は学校の行事でもなければ、地域住民が集まっての正月の伝統行事は少なくなっているという。幼稚園や小学校などで行われるささやかな季節のイベントも、伝統文化の継承を担う大切な役割を果たしている。(神田啓晴)
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)