本尊の光背裏側拝めます 100年ぶりの修理終えた東大寺二月堂の大観音
「お水取り」で知られる東大寺(奈良市)二月堂の修二会(3月1日~14日)を前に、江戸時代に二月堂が焼失した際に持ち出された「大観音」と呼ばれる本尊の光背(重要文化財、奈良時代)が約100年ぶりに修理され、東大寺ミュージアムで開催中の特集展示で初公開されている。
銅造の光背は残片が保持板に固定されていたため裏面は隠れていた。修理では透明なアクリル板に替えたため、仏の世界や天界、須弥山、地獄が精緻に表された裏面が見られるようになった。
二月堂の本尊である大観音は修二会前半(3月1日~7日)の本尊(後半は小観音)で、小観音とともに絶対秘仏。光背は寛文7(1667)年の火災で損壊したが、残片が復元配置された。高さは226・5センチで、周囲に火焰がつく。表面は千手観音を中心に多くの仏が線刻されている。
特集展示ではこのほか、二月堂再建指図や二月堂修中練行衆日記などが展示されている。3月21日まで。入館料は中学生以上500円、小学生300円。問い合わせは東大寺ミュージアム(☎0742・20・5511)。
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