高さ70メートル以上も 東大寺で鎌倉時代の東塔基壇跡 創建時より巨大
世界遺産・東大寺(奈良市)の東塔跡から鎌倉時代に再建された塔の基壇が出土し19日、同寺と奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所が発表した。奈良時代の創建時より一回り大きく拡張されており、「創建時を踏襲して再建する奈良の大寺院では極めて異例」という。
東塔跡の北と東部分で発掘調査を行った結果、一辺約27メートル、高さ1・7メートル以上とみられる基壇が出土。瓦などから鎌倉時代のものと分かった。創建時の基壇上や周囲に盛り土をし、約3メートル拡大しているとみられる。
柱の配置は3間四方で、中央柱間は約6メートル、両脇は約5・4メートルとも判明。鎌倉時代に大勧進職として同寺を復興した僧、重源が採用した様式「大仏様」を取り入れた南大門の柱間寸法とも一致した。階段跡や周辺の石敷き遺構なども確認された。
東大寺の東西両塔は奈良時代、大仏殿の東南と西南に創建され、東塔の高さは70~100メートルともされるが、平家による治承4(1180)年の南都焼き打ちで焼失。その後再建されたが落雷で焼け落ち、基壇跡だけが残っていた。
現地説明会は21日午前10時から行われる。
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