華やか造花づくり 薬師寺の花会式に備え 1000本
2016年02月27日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
東大寺(奈良市)では「お水取り」で知られる二月堂修二会の前行が行われているが、薬師寺(同市)でも、金堂で営まれる修二会「花会式」(3月25日~31日)に向けた準備が進められている。本尊・薬師如来に供える華やかな造花づくりだ。
花会式の造花は10種が2軒の家で準備される。このうち奈良市の農業、橋本一良さん(85)方では一家総出で色とりどりのウメやツバキ、ボタン、ヤマブキ、キク、フジをつくり、作業を進める部屋の中には春が訪れたよう。「咲きましたよ」。毎年、完成時にはそう言われる。
花々は細部まで表現され、本物と見まごうばかり。紅白のウメは匂い立つようだ。ボタンの大輪は花びらの形に切った和紙30枚でつくり、キクは花びらを手でひねるのに手間がかかる。さらに、花々の葉は道具を使って葉脈まで表現する精緻さ。
「ありがたいことで、花を納めた後のお参りは欠かせません」と、70年ほど携わってきた橋本さん。花会式までに計1千本の花を咲かせる手作業は続く。
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