【月刊ならスポ】柔道で「金」を、野村選手に続け 松田淳希さん
北海道函館市で昨年8月に開催された第46回全国中学校柔道大会の50キロ級で優勝を飾った。同大会での県勢男子の優勝は実に28年ぶり。目標は、オリンピック柔道60キロ級で3連覇をはたした野村忠宏選手(広陵町出身)のようなアスリートになることで、夢は「オリンピックでの金メダル」という。
昨年8月の全国大会。50キロ級には48選手が出場した。初戦は「プレッシャーを感じて思うような動きができなかった」と振り返るが勝ち上がり、目標だったベスト8に。「あとは楽しんでいこう」と、楽な気持ちで試合にのぞんだという。
決勝戦の相手は島根県代表。終始技をかけ、攻め続けた。投げきれなかったものの、消極的と判断された相手は「指導」を受け、その差で優勝を飾った。「道場で指導してくれた先生(恩師)のためにも勝ちたいと思っていたので、本当にうれしかった」と話す。
恩師とは、平成26年10月に亡くなった村議で柔道クラブ「明日香誠志館」館長の故・水之江隆臣さん。水之江さんは柔道指導者として有名で、聖徳中の生徒を指導し、同校を柔道強豪校に育て上げた。松田さんも水之江さんの薫陶を受け、実力を伸ばした1人だ。
松田さんが柔道を始めたのは幼稚園のとき。園を訪れた柔道チームの指導者が技を披露するのを見て、「格好いいと思った」。さっそく、道場で練習するようになった。
得意技は背負い投げ。現在の身長も161センチと、昔から小柄だったこともあり、幼稚園のころから背負い投げを練習、「大きな相手を投げていた」。背負い投げは相手の襟と袖を持って投げる。技が決まるかどうかは「タイミング」といい、「直感的、無意識に技が出る」という。
おとなしい性格だが、相当な負けずぎらい。小学5、6年のときには県大会決勝で2年連続で同じ相手に負けたという苦い思い出もあり、練習を重ねた。現在、明日香誠志館の代表を務める竹上正記さん(42)は「これからもっと体力を付けることが必要だが、秘めた思いは強く、いわゆる天才型の選手。技をかけるタイミングなどはすばらしい」と素質を高く評価する。
全国大会の優勝で、全日本強化選手になった。定期的に東京のナショナルトレーニングセンターで練習し、トレーニングや食事の指導を受ける。「いろんな経験ができて楽しい」と話し、強化選手としての重みを感じている。
4月からは、和歌山県橋本市内の私立高校に進学予定。当面の目標は「インターハイでの優勝」だが、大きな夢はオリンピック出場。アテネ五輪で野村選手が3連覇を決めたシーンをテレビで見ていたといい、「野村選手の得意技も背負い投げ。オリンピックの金メダルをめざしてがんばりたい」と目を輝かせた。(野崎貴宮)
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