もちいどのセンター街の案内板 景観広告優秀賞 老舗の看板も
景観に調和した屋外広告を表彰する「なら景観調和広告賞」で、奈良市の「もちいどのセンター街」のアーケードの柱に配置された統一案内板が、独立広告部門の優秀賞に選ばれた。商店街協同組合が「通り」の広告景観を創出した新しい取り組みで、周辺の観光地の位置情報も分かりやすく表現したことなどが評価された。
商店街を訪れた観光客から「駅はどっち?」「ならまちにはどう行けばいい?」などと道を尋ねられることが多かったことから、平成22年の平城遷都1300年祭に合わせ、商店街の店舗が費用を出し合って設置。現在、42本あるアーケードの柱のうち18本に統一案内板が設置されている。
格子と身代わり申をイメージしたシンプルなデザインで、駅や観光地までの距離や方向を分かりやすく表記。同センター街協同組合の松森重博理事長(67)は「観光客に分かりやすい案内板を、と設置した。受賞が商店街の活性化につながれば」と話した。
同賞は景観や屋外広告物への意識や関心を高めてもらおうと県が25年度から実施し、今回は61点の応募があった。
一般広告部門で優秀賞を受賞したのは、天川村で400年の歴史を持つ温泉旅館「宿 花屋徳兵衛」のケヤキの看板。17代目の花谷芳春さん(63)が「温泉街の雰囲気を表したい」とデザインしたもので、建物2階軒上のわずかな壁面を活用し、ケヤキの1枚板に書で表現。趣のある景観創出が評価された。
このほか、歴史的広告活用部門では奈良市の老舗墨屋「古梅園」の扁額3点のみの広告が優秀賞を、酒だるの絵看板などを掲げる宇陀市の奈良漬老舗「いせ弥」が奨励賞に選ばれた。
【関連記事】
宇陀市松山地区に観光拠点設置へ 城下町の歴史と伝統生かせるか
「知ってるつもりでも難しい」 西の京高生が英語で観光ガイド 興福寺めぐる
楽しく学ぼう奈良の歴史 県がホームページ新設 古地図の公開も
奈良観光は「はとバス」ならぬ「しかバス」で 県が4月からツアー開始へ
(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)