「子供の命考え、力合わせる」 東大寺次期別当の狹川普文師が会見
次期華厳宗管長と同宗大本山東大寺(奈良市)の第222世別当(住職)に選ばれた同寺上院院主の狹川普文さん(64)が、5月1日の就任を前に会見した。奈良時代の東大寺創建の精神に触れ、「子供の命をまず考え、みんなで力を合わせて動いていく」と語った。
狹川さんは「創建の精神はずっとつながっている。これまで221人の別当は時代に即応し、人々の思いをくみ上げ、さらに一歩先までサポートした。みんなと一緒に動くことが東大寺の特長」と説明。「大事なのは聖武天皇が言われたように子供の命をまず考えること。子供が死んでいくような国は国造りができない」とした。
環境問題にも言及し、「最近の気温変化や酸性雨は人間が深く関わっている。環境汚染が進むなか、日本、地球全体で取り組まないといけない」と指摘。集中豪雨などが増える昨今の状況から、境内について「治水もやっていかないといけない」などとした。
晋山式(就任披露式)は5月30日に行われる予定。
東大寺は5月1日付の人事も発表した。主な部署は次の通り。(敬称略)
教学執事=上司永照▽財務執事=鷲尾隆元▽庶務執事=森本公穣▽上院院主=平岡昇修▽大仏殿院主=鷲尾隆元▽東大寺総合文化センター総長=筒井寛昭▽勧学院院長=上野道善▽東大寺学園理事長=北河原公敬▽東大寺福祉事業団理事長=平岡昇修
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