横穴式石室新たに発見 天理の豊田狐塚古墳 水晶や琥珀製の玉も出土
古墳時代後期の大規模群集墳として知られる石上・豊田古墳群(天理市)の南西端にある豊田狐塚古墳で6世紀後半の横穴式石室が新たに見つかり6日、同市教委が発表した。
石室は、奥行き約4・4メートル、幅約2・2メートル、高さ約2・2メートル。壁面には1辺30センチ~1メートルの石が7段ほど積まれ、床には3カ所に木材の痕跡があった。少なくとも3基の木棺が安置されていた可能性があるという。
付近からは副葬品の水晶製や琥珀製の玉が出土。50点以上の須恵器や鉄製の馬具、国内製の小型鏡1面(直径9センチ)も見つかったという。
同古墳は直径約20メートルの円墳とみられ、古代の有力豪族・物部氏が拠点とした布留遺跡や、ヤマト政権の武器庫とされる石上神宮を見下ろす高所に位置。明治8年の文書で江戸時代末期に盗掘され、勾玉や刀が出土したことが分かっていたが、出土場所や施設の構造は未確認だった。
市教委文化財課の石田大輔主査(34)は位置関係や副葬品などから、「物部氏の首長層を支える有力者の墓と考えられる」としている。
現地説明会は9日午後1時~午後3時半(雨天の場合は10日)。車での来場者用に、天理教北2駐車場を用意している。問い合わせは同市教委(☎0743・65・5720)。
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