中将姫の写仏体験を 28日に葛城市の当麻寺中之坊で
若い女性らの間で人気を集める「写仏」(仏の姿を描き写す行)。中将姫伝説で知られる葛城市の当麻寺中之坊では、女性仏画家が中将姫の肖像画をもとに写仏の下絵を制作、28日にこの絵を使って写仏講習会「中将姫 写仏会」が開かれる。心をしずめて仏に導かれたという中将姫と向き合う機会になりそうだ。
当麻寺中之坊では平成17年から当麻曼荼羅の阿弥陀如来や観音菩薩などの写仏を始め、現在は女性を中心に年間千人以上が体験している。
中将姫は奈良時代に同寺に入って尼となり、曼荼羅を織ったと伝えられる信仰上の女性。中之坊には最古の中将姫の肖像画とされる鎌倉時代の掛け軸(県文化財)が残されており、今回、これをもとに大阪在住の仏画家、久保田聖美さんが写仏下絵を描いた。久保田さんは中之坊の中将姫剃髪堂の十一面観音(導き観音)をもとにした下絵も制作している。
写仏下絵は合掌する中将姫の高貴な姿。28日の講習会は久保田さんが指導し、用紙に墨で下絵をなぞって中将姫を描く。翌日以降も中将姫の写仏は体験できるという。
中之坊の松村實昭院主は「中将姫の掛け軸は立派で、これに近い形で下絵を描いてもらった」。久保田さんは「みなさんの心のよりどころになれば何よりと思い描いた。心をしずめてきれいな線を描いていただければ」と話している。
講習会は28日午後1時から。参加費3千円(用具代含む)。定員60人。申し込みは当麻寺中之坊(☎0745・48・2001)。
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