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【奈良移住物語】「健やかな選択」、自然豊かな宇陀でフリーペーパー編集


 青空と伊那佐山の緑が目に心地良い宇陀市榛原沢地区。この地でフリーペーパーやウェブマガジンの編集者兼ライターとして活動する赤司研介さん(36)は、5年前の東日本大震災を機に、神奈川県藤沢市から一家で移住してきた。「子供たちに豊かな未来を残したい」。移住を経てたどり着いたのは、自然環境と持続可能な暮らしを重んじる「健やかな選択」という生き方だ。(浜川太一)

「生き物の存在を身近に感じられる環境がいい」と、手がけたフリーペーパーを手に話す赤司研介さん

「生き物の存在を身近に感じられる環境がいい」と、手がけたフリーペーパーを手に話す赤司研介さん

■震災が転機に

 「生き物たちの息遣いとゆったりした時間を感じられる、この上ない環境です」。平成24年3月に桜井市に移り住み、その後よりよい環境を求め、宇陀市に暮らし始めて約2年。新天地にすっかり溶け込んだ赤司さんは、まちの魅力を笑顔で語る。

 大学を卒業後、東京の広告制作会社に就職。このときに起きた東日本大震災が、その後の生き方を変える契機になった。当時、保険や金融商品の宣伝パンフレットを制作していた赤司さんは、激震と津波で変わり果てた町並みをテレビで目の当たりにし、ふと思った。「自分は何をやっているのだろう。今やるべきことは、ほかにもっとあるのではないか」―。

 震災から2週間後に長女が生まれ、福島で起きた原発事故も気がかりだった。「やるべきこと」の道筋ははっきりと定まっていなかったが、思い切って移住を決断した。

■雄大な自然に魅了された

 地域に溶け込むのに、そう時間はかからなかった。畑作業の経験がなかった赤司さんに、地域の人たちは野菜の育て方を一から教えてくれた。地域の伝統神事にも招かれ、田植え祭や秋祭りなど、20以上あるすべての行事に参加。近所付き合いを通じ、「顔の見える関係」の大切さに気づいたという。

 雄大な自然にも魅了された。「森は確かに生きていて、一本一本の木にも幹の伸び方や形状に、性格の違いが出ることが分かった」。大台ケ原や大杉谷を歩いてまとめたフリーペーパー「GREEN PAPER」は、単なる観光案内ではなく、人と自然の共生や持続可能な暮らし、というテーマの発信に重点を置いた。

自宅前の畑で栽培しているトマトの手入れをする赤司研介さん

自宅前の畑で栽培しているトマトの手入れをする赤司研介さん

 これらの経験を通じて、「自然」というキーワードを、自身の価値判断の基準にする「健やかな選択」という考えを持つようになった。多少値が張っても、できる限り化学肥料を使っていない有機野菜を買う。「生産者を応援し、環境保護につながる」と赤司さんは話す。

■「スローカルチャー」

 今年6月、赤司さんは「SlowCulture(スローカルチャー)」という新たな屋号で、フリーランスのライターとしての活動を始めた。

 近ごろ切実に感じるのは「世の中の動きが早すぎる」ということ。SNSでは、遠方の人と瞬時にやりとりができる。「新幹線に勝る乗り物が走ろうとしている」といい、「だが、便利さと引き換えに得られるのは結局、今以上の忙しさではないか」と思う。

 「便利さと手間暇が混ざり合う、ちょうど真ん中を目指せば、もっと豊かになるんじゃないかな」。赤司さんは、そんな思いを新しい屋号に込めた。ゆっくりと共感の輪が広がることを願いつつ、子供たちのために、健やかな未来の青写真を描いている。

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