将来公開されるかも 焼けた法隆寺金堂の壁画、初の本格調査へ
世界遺産の法隆寺(斑鳩町)は11日、昭和24年に焼損し収蔵庫に保存している金堂壁画(重要文化財、7世紀末頃)の現状について初の本格調査を行うと発表した。12月5日に東京で保存、活用に向けた専門家による委員会を発足させ、今年度内にも調査を始める。
調査は12面の壁画を中心に焼けた部材も含め、収蔵庫で保管しているものが対象。収蔵庫も老朽化が懸念されており、保存環境を詳しく検証する。現在、非公開の壁画は将来的に公開の可能性も含めて調べるといい、火災70年の節目となる平成31年1月に調査結果の中間報告を行う予定だ。
壁画は昭和24年1月26日に発生した火災で焼損。これを機に翌年、文化財保護法が制定され、この日は「文化財防火デー」に定められた。
大野玄妙住職は「より良い状態で次世代に引き継いでいくことが責務」と話した。
◇法隆寺金堂の焼損壁画
金堂内部の壁に描かれていた12面。釈迦や阿弥陀、弥勒(みろく)、薬師の浄土図などがあり、中国・敦煌(とんこう)の壁画などと並ぶ仏教壁画として知られたが、昭和24年1月26日に火災で焼損。現在、金堂には再現した壁画がはめ込まれ、元の壁画は焦げた柱とともに27年に完成した収蔵庫に納められている。
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