7割の企業が賃上げ 人手不足が要因か 南都経済研究所調査
今年度賃上げを実施した県内企業が約7割に上ることが南都経済研究所(奈良市)の調べで分かった。同研究所は「中小企業は大企業に比べて人手不足感が強く、人材の確保や定着に向けた賃上げが多い」としている。
調査は9月中旬~10月上旬に郵送で実施。個人事業を含む263の企業から回答を得た。
今年度従業員の賃上げを実施した企業は69・2%で、製造業では繊維製品と機械工業、非製造業では建設業、運輸業で8割以上の企業が実施したと回答。一方、従業員の規模別では「1~9人」は48・1%、「10~19人」は64・3%にとどまり、従業員数が少ないほど実施した企業の割合は低かった。
賃上げを実施した理由は「従業員のモチベーションアップ」が73・1%で最多。次いで「世間・業界の相場を考慮」(39・0%)、「人員確保のため」(20・9%)、「業績がよい」(19・2%)と続いた。
昨年度と比べどの程度賃上げを実施したかについては、「1%以上~3%未満」(56・6%)が最も多く、「3%以上~5%未満」(17・6%)、「0%~1%未満」(17・0%)の順だった。
一方、賃上げを実施しない理由では「売り上げ(受注)の減少」が最多で、「景気の先行き不透明」「資金繰りの悪化」などが続いた。安倍晋三政権の経済政策、アベノミクスについては「恩恵を受けている実感がない」「地方ではコストアップに苦しんでいる企業が多い」などのコメントも多かったという。
担当者は「アベノミクスに対する意見はさまざまだが、県内企業の経営環境は3~4年前に比べるとゆるやかだが改善している」と指摘。「改善が力強いものとなるような経済政策を継続して打ち出してもらいたい」としている。
南都経済研究所のホームページはhttp://www.nantoeri.or.jp/
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