唐招提寺御影堂、修理前の最後の公開 23日まで
屋根の傷みや地盤沈下が進んだため、調査が始まった奈良市の唐招提寺御影堂(重要文化財)で21日~23日、修理前最後となる特別公開が行われる。安置されている国宝の鑑真和上坐像や日本画家、東山魁夷(1908~99年)が描いた襖絵・障壁画は別施設に移すため、今回を最後に修理完了までの数年間、御影堂で同時拝観はできない。
同寺などによると、江戸時代の建築で移築された御影堂はこれまでに雨漏りがし、地盤沈下している所もある。このため、県文化財保存事務所が平成28年度まで地盤や屋根を調べるとともに、耐震診断も行い、翌年度から修理に着手する。
御影堂は毎年6月の開山忌の際に公開。鑑真和上坐像を拝観し、東山魁夷が奉納した「濤声」や「山雲」などの名画を鑑賞する人が多い。しかし、少なくとも5年ほどは同堂では拝観できないといい、特別公開に際し石田太一執事は「御影堂には鑑真さんと東山さん、(襖絵・障壁画奉納当時の)森本孝順長老の3人の魂がこもっている。ここに来てそれを感じていただきたい。そして修理を行い、3人の思いが後に伝わるようにしたい」と話している。
特別公開は午前9時~午後4時。南大門で払う拝観料以外に一般で500円が必要。問い合わせは唐招提寺(☎0742・33・7900)。
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